酷暑により音楽ライブで死者。今後、日本の主催者は「持ち込み」を許可できるのか?

求められる「現代的な」リスク評価

猛暑の中での野外イベントでは特に、しっかりとしたリスク評価が不可欠だ。

何千人ものファンが太陽の下で何時間も耐えるのだから、危険を回避するために綿密な計画が求められるのは必然。コンサート主催側は、日陰になる待機エリアの確保や給水システムの整備といった対策により力を入れる必要がある。

また、不測の事態にも対応できるよう、来場者同士、または会場スタッフによるタイムリーな安全情報の伝達も重要だ。

今回の例では、予測できたはずの猛暑や人混み、伴う水分の供給不足といった評価の甘さが問題となった。このような惨事を繰り返さないためにも、運営側は前提となる安全確保に加え、透明化された情報の共有が求められている。

今回の事件をきっかけに、ブラジル当局は緊急規則を発令し、あらゆるイベントにおいて水の持ち込みが許可されたという。

イベントをしっかり楽しむためにも、演者、主催者、観客の誰もが深刻化した環境問題の影響を踏まえ、現代的な知識・リスク評価を徹底しておくことが重要だ。

湿度が高く、世界的な音楽イベントも多い日本においても、この先のシーズン、暑さへの対策により一層意識を向ける必要があるだろう。

Top image: © iStock.com/MattGush
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