Licaxxx、岩崎拓馬が語る。自分らしく歩み続けるこれからのこと

 

しかしその後、3年間東京を離れて名古屋で活動をしている。

 

「本格的にモデルをやりたいって思ったけど、東京は右も左もわからないし、人の多さに疲れちゃった。それで場所を変えようと思って、東京と地元・京都の間、じゃあ名古屋かなあなんて安易な考え方で(笑)ありがたいことに名古屋で仕事をもらえたし、モデルとしての基礎力や自信も名古屋時代に培った。名古屋にいるのは3年って決めてたんだ。東京はファッションに限らず流行の発信地だし、やりたい仕事も東京にあったからね」

岩崎さんはご自身でスタイリングも手がけている。表現者としてのインスピレーション源はどこから来るのだろうか。

 

「何かいいものをみたら、無意識にパクっちゃう気がするんだよね(笑)いいものには惹かれるし、真似したくなるでしょ。だから、何かから着想を得るというよりも感覚を大事にしている。ブランドのディレクションをするときは、妄想と自分が欲しいものとかこうだったらいいなって思うことを掛け合わせるかな。その妄想のアイディアは人とのコミュニケーションからもらうことが多いけどね」

気さくで人見知りしない人柄からか、遊びやプライベートな場での繋がりで仕事に巡り会うことも多いそう。じつは今回のインタビューも、岩崎さん行きつけのスナックで出会ったことがきっかけだ。

 

「〈ソルト〉ってブランドは友人とふたりでやっているんだけど、彼女とは青山のスナックで出会ったんだ。あ、そういえばこのインタビューだってそうじゃん!だからどこに何があるかわからないよ。それが面白いんだよね。どんな無謀に思えることでも、口にしていたらいつかは叶うって変な自信みたいなものもある。頭の中で考えるだけじゃなくて、それをちゃんと口に出す。言霊は結構大切だと思うよ」

 

年齢やキャリアにとらわれず、自分らしい方法で夢を実現させている。

 

「昔は焦ったりもしたけど、焦る時間があれば楽しんでたいなって思えるようになったよね。薄っぺらく聞こえるかもしれないけど“人生楽しんだもんがち”でしょ?『拓馬って悩み事とかなさそうだよね』って言われたら勝ちかなって思ってる(笑)」

自分を慈しんでいれば、
まわりの人にも寄り添えるはず。

最近は、人との関わり方や考え方にも少し変化があらわれてきたよう。

 

「以前は、常に新しい出会いを求めていたけど、最近はいままで出会ってきた人たちを大切にするほうが強いかな。出会いは求めてなくても必然的に訪れるでしょ。あと、自分の時間を大切にするようになった。考えるより、まずは行動!って感じだったけど、自分のペースで歩むことが増えたかな。ちょっと落ち着いたのかもね」

 

それから、コロナ禍で考えたことを正直に話してくれた。

 

「もちろん大変なことはわかっているし、俺の知らないところで悲しいことがたくさん起きているのも知ってる。でも、何事にもネガティブにはなりたくないから、いい面を見つけるようにしているんだ。何が自分にとって、かけがえのないものが何なのか見つめ直す機会だったと思う。本当に会いたいと思う人にだけ会うようになったし、本当に行きたいと思うところにだけ出かけるようになった」

一方で、変わらないことについてもたずねてみた。

 

「変わらないことは、常に変わり続けることかな。って禅問答みたいだね。当然、その日の体調や天気によって、考えていることも気分も違う。それに成長って変わることだと思うんだ」

 

岩崎さんの次なる一歩は、どこにあるのだろうか。

 

「何か新しいことに一から挑戦するじゃなくて、いままでしてきたことを続けていきたいな。そこに付加価値を生み出すのが次の挑戦だと思う。モデルは一生続けたいけどね。おじいちゃんになっても好きな服を着ていたいな。最近思うのは、完成なんてものはないってこと。やりたいと思っていたことは着々と実行できているんだけど満足はしてない。まあ、やりたいことなんていっぱいあるからキリがないんだよね(笑)」

 

「あくまでも俺が考えていることだから……」と前置きしたあとで、力強く語ったことが印象的だった。

 

「結局は自分の人生でしょ。自分のことすら大切にできない人が、他人を大切になんてできないだろうし、自分のことをよく知らない人が、他人を知るなんてお門違い。自分を見つめていれば、人に寄り添うこともできるようになるって思っている」

岩崎 拓馬(いわさき・たくま)

1989年生まれ。京都府出身。モデル、俳優、〈re:tack〉、〈SOLto〉ディレクター。東京で活躍するミレニアル世代として〈ティファニー〉のショートムービーに抜擢される。
Instagram:@takuma_iwasaki

ジャケット、パンツ(ともにJ.PRESS ORIGINALS)/ニット(BANANA REPUBLIC)/パール(MIKIMOTO)/ブーツ (RANDOM IDENTITIES)

 

 

歩いていこう、その向こう側へ。

遡ること200年前。1819年、ジョン・ウォーカーが大きな一歩を踏み出した。

以来、“KEEP WALKING”のブランドメッセージのもと、前向きに歩み続けた「ジョニーウォーカー」。スコットランドから始まった旅は世界中に広がり、今日では世界中で愛されるスコッチウイスキーに。

——僕たちの旅はどんな道のりになるだろう。

でこぼこ道かもしれないけど、歩き続ければきっと一筋の光になっていくはず。

撮影協力:RECORD BAR analog(Licaxxx)、Coffee Supreme Japan(岩崎拓馬)

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