僕と、恋人
南菜子を撮る理由
「なな(南菜子さんのこと)を撮る時は、ななも僕もお互い構えていません。写真を撮っているという意識すらないんだと思います。“この状況のこの表情を記録したい”という想いのままに、さっと適当に、ファインダーをのぞいて、ピント合わせて、撮ります。その場の空気を封じ込めるような感じですかね。調整する時間がもったいない気がするんです。
僕と、南菜子の出会い
「ななとは僕の地元の古着屋で出会ったんです。ふだんスナップとか撮らないんですけど、もともと仲が良かったそのお店のオーナーに、“あの子撮ってみたら?”と言われ、“まあやってみるか”と思って、撮らせてもらいました。
別れたあと、何か運命のようなものを感じてどうしようもなくなり、コンビニに車を停めて、電話で“付き合ってほしい”と告白しました。向こうも“いいよ”と言ってくれたので、付き合いはじめました。その日から1ヶ月くらいは毎日一緒に
僕の、南菜子への気持ち
たいせつなガールフレンドの、一瞬一瞬の表情を記録したいと思った時、そこにあったのがカメラだった。つまるところ「撮るのは記録のため」というシンプルな理由に、写真の真理を見たような気がしました。
記録した「今」が「過去」になった数十年後にふたりが改めてポートレートを見返した時、一体、何を思い出し、何を想うのでしょうか。