デニムや革のように、陶器は「育てて」楽しみたい!

焼き物の表面を覆っているガラス質は、灰などから精製される釉薬(ゆうやく・うわぐすり)が高温で溶けて溶着したものだ。木灰を釉薬にしたものは、薄黄色になる。米の籾を釉薬にすると、白くなる。銅を混ぜ込むと緑色、といった具合に、元の釉薬からは想像できない発色をする。

このガラス質には、経年変化によって細かくヒビ(貫入[かんにゅう]という)が入っていき、そのクラックが文様を描きはじめる。また、ガラス質自体が色を変えていき、風合いを醸す。

たとえばこれは、左から順に経年していった模様。右の茶碗は50年物だという。

瀬戸の名陶である「瀬戸本業窯」の八代目水野半次郎後継 水野雄介さんは、こう言う。

「ものが満ち足りた時代に、陶器に対してどう価値を感じてもらうかを、常々考えています。西洋の家がそうであるように、持ち主が住んでいる間に手を加えてさらに価値を高めていくように、焼き物も時間を重ねることの大切さを感じて欲しい」

陶器を10年単位で
育てる楽しみ

割れてしまった器を、漆で接着し、隙間を金箔で埋める修復方法「金継ぎ」もエイジングの大事な要素だ。金の美しい有機的な曲線をも愉しむ、むしろ金継ぎだけがひとり歩きして、いまや世界でも「KINTSUGI」と呼ばれ、工芸美術のひとつのスタイルを築き上げている。

1年やそこらで経年変化するデニムもいいが、10年単位で器を育ててみてもいい。

Photo by 稲垣正倫
取材協力: 瀬戸市, 瀬戸本業窯
-->

バンコク(タイ)の無料ガイドブックはこちら

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1

フォローする